本来は3次元でしかまともに取り扱えない、これら板厚と板逃げの重合する課題: 板厚処理を、この内構システムは、ワイヤフレームモデルの線データに、板厚方向と法線ベクトルを属性として付加する…ことで解決する方法としている。
本項のタイトル:3次元→/←2.5次元のゆえんである。
これら法線ベクトルの求め方は[図5.2.4 セクションカットの概念]で、必要な任意断面(実線のカット面)でカットすると同時に、その任意断面に平行な(点線の)近接面でもカットするようにしている。そうすれば、あたかも作画現図で正面線図で落ちを拾えばFr面の外板との角度が求まったように、法線ベクトル(⇒)が計算できる。
5.2.2 内構モデルの作成
上記セクションカットは、内構本体部材:ウェブ面形状を定義する「前処理」である。
一般にソフトウェア・システムで、前処理:プリプロセッサーとは、目的とする主処理:メインプロセッサーの事前の準備工程を指し、その主処理が終わった事後の始末をする工程を後処理:ポストプロセッサーと、対にして呼び習らわしている。料理に下拵えと盛り付けがあるようなもので、システム処理はプリ・メイン・ポストというように連鎖して流れる。代表的なポストについては、NCシステムで後述する。
さて、これからが主処理で、処理対象:モデルの作成が始まる。
作成されるモデルには、その範囲括りの単位から3段階の手順がある。
(1) セクションモデルの作成
セクションカットした断面全体は、先述したように、フレーム断面または水平断面などの外郭形状とロンジ断面が2次元座標系に変換して表示され、後処理で倣い開先や小骨展開形状計算のために、外郭形状とロンジ断面はカット面の法線方向のベクトル値も同時に計算されている。
この前処理によるモデル上で:−
1]内構形状:本体ウェブ内形を、断面単位に定義する。
内形にはFc.PLが、壁ならスティフナーが、配される。
2]この内形にブロック継手線を定義し、
3]このブロック継手にまたがるスティフナーや孔などの構造要素も定義する。
これによってブロック継ぎ手の取り合い不良が防止できる。
4]こうして内構断面の形状モデルが作成され、これにセクション名をつけて登録する。
[画面5.2.1 セクションモデル]は、この操作画面である。