5.1.2 工作要領の標準化
数値現図になっても、作画現図のときの工作要領を引きずっている造船所が多い。
数値現図をNC切断の手段としてのみ適用し、現図床も併用している中途半端な造船所ではやむをえないが、必ずしもそうではないのは残念である。
これまで説明してきたように、数値現図は作画現図の延長ではなく、高精度フェアリング、垂れ下がりロンジ・ランディング、定盤系切直し、伸び尺…などなど、むしろ延長にしないところに値打ちがある。
これまでの手作業では以心伝心のあいまいな約束ごとも、明確にして、コンピュータ・システムに組み込めば自ずと徹底する。
改めて抜本的な見直しを勧めたい。
コンピュータは機械だから、こき使え…との見解はある。確かにコンピュータにやらせれば、何でも自動的に繰り返す。人手は食わないかもしれない。だがムダはムダ、自動的にムダの繰り返しになるからだ。
この再検討で、積年の垢と贅肉を落とし、スマートな筋肉質の造船体制にに代えたいものである。
[図5.1.2 内構部品処理結果例]は、船尾双胴部のインターコスタル・フロア部品3枚のチェック作画であるが:−
*中(内)2枚と玄(外)1枚とでは、マーキン面が反対になっている。フロアのトップ付の倣い開先で判るが、なぜか。
*倣い開先は、ここだけしか表示がないが、フロア外板付にも発生するはず。
*基準線として、WL:0.5/2.0,BL:1.0/2.0/〜5.0があるが、そんなに必要か。
…など基準に照らして検討の要がある。