*要件/読込み
要件とは、船型の制約条件のことで、L×B×Dの主要寸法、中央断面のビルジRなどを指し、船型設計の形状データをパソコンに読み込む。内容については、次章に「船型初期入力」として解説する。既にある船型データを利用するときは: −
*ベース船型〜変更/補正
…にてデータ流用を準備する。[図2.2.3 船型のモディファイ]に、その概念を示す。ベース船型とは流用の元になる船型"O"があって、これに類似し少し幅を拡げたい新船型"M1"にするときは、"O"の船型オフセットの船体座標系Y値を、拡幅の比率: 図では[1.2]倍に、モディファイ: 変更すればよい。"O"正面線図がゴム板に描かれていたとして、そのゴム板を幅方向に引き伸ばすと考えるのである。
図の"M2"の方は、既にフェアリング作業を終えた平面船底: Dead Rise=0の"O"船型を、船主要求で船底勾配付きに設計変更がでた場合である。この時は"O"正面線図のゴム板で、キール部分は固定しビルジ部分のみ上方に圧縮する様子を模擬して、Z座標値を幅×高さ方向にモディファイ: 修正する変形計算を行う。詳細は省略するが、手作業での事例は、別冊(次期に予定の)『現尺線図・構造現図』で参照できる。
"M1"の事例として[図2.2.4 船型の拡幅例]を掲げた。プロペラ・ボスが楕円化しているのが見て取れる。目立たないが、実はビルジRも変形していて、これらの微小変形だけを、またモディファイ: 補正すれば、フェアリング作業は僅かで、目的とするフェアーな新船型が得られる。
*面境界補正〜主船体フェアリング〜評価
ここからが数値バッテンを使ってのフェアリング作業、まずは入力してあるタンジェンシーラインなどの面境界線: 正面線図での変曲点から固める。それから正面St.Lからフェアリング作業に入り、平面W.L、側面B.Lのフェアネスをみては補正。この評価の繰り返しで主船体線図と、その延長を決める。詳細要領は後述する。