(4) 親水空間レジャーシステムの開発
都市生活に潤いと豊かさを与えるような、水辺の親しみやすいレジャー機器の開発とその運用システムについて検討を行う。
(5) モーダルシフト関連事業の検討
政府の総合物流政策の焦点となっている、モーダルシフトを推進するための補助的事業と成り得るものについて検討を行う。
(6) 通勤船構想の検討
道路の渋滞や列車の大混雑を避けて、耐候性を有する高速の通勤船と運航システムについて検討を行う。
4-3-4 新規需要開拓のための提案
前項で抽出した課題をもとに、関東地区において新規需要開拓に資する方策について具体的な検討を行い、提案としてとりまとめた。
(1) 公募型プロジェクト課題の検討
ここでは、平成10年度に関東運輸局船舶部が実施した公募プロジェクトでの優秀賞及び入賞となった提案については、本調査において更に検討を行った。以下に、その概要を紹介する。
1)都市向け低公害型高速客船・貨物船
従来、湾岸部や河川では曳き波による護岸や行き交い船・係留船などへの影響低減、あるいは親水護岸などにいる人間の安全性への配慮という観点から、船舶の航行速度を10ノット程度に制限している。
他方、大都市圏では乗用車やトラックなどの排気ガスによる大気汚染・健康被害、更には地球温暖化への影響などが大きな社会問題となっており、モーダルシフトの推進が急務となっている。
本構想は、曳き波減少型船型を開発して航行速度を20ノット程度まで向上させるとともに、電気駆動式のウォータージェットを採用して環境への影響を最小限に押さえ、陸上輸送機関との競争力強化を狙ったものであり、『アクア・ハイウエイ・プラン』などで指摘されている「物流」、「防災」、「環境」の観点から、開発が望まれるものである。
○提案内容
1]全長30m、旅客定員250名の河川用高速旅客船(図4-3-2参照)
2]全長30m、バルキー貨物またはコンテナ積載量300m3の河川用高速貨物船
(図4-3-3参照)
本構想の対象となる河川としては、多摩川、荒川、江戸川などが考えられる。一番実現性の高いのは荒川であるが、以下の問題点が指摘されている。
○本構想に対応する新たな船着場や荷役施設が必要である。