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造船事業者の多くは、機関整備や船舶電装作業に関して協力事業者の協力がなければ事業が成立しない。また、これら協力事業者は、従業員が高齢化しているとはいえ高度な技能・技術集団であり、これら技能者の有効活用の在り方を追究するとともに、その社会的地位の向上を図り若年層の人材確保の刺激となる方向の取り組みが必要である。

他方、主機関、レーダー等の舶用機器類は、昨今の技術革新により更にハイテク化しており、これに十分対応できる整備技量を常に確保することが重要である。

また、最近の舶用機関は、高効率を求めるため限界設計に近いものが多いことから、高度な整備技量の修得に努めることが必要である。

 

○ 課題解決に有効と思われる具体策の例

1]機関整備士資格の制度化と社会的地位の向上

2]技術講習会の拡充

3]人材バンクの活用による異分野への進出

4]情報・技術交流の推進

・企業間における懇談会・研究会の設置

・データベースによる技術交流・受発注ネットワークの構築

 

(6) 舶用工業(舶用機器・機関部品)の研究開発

 

舶用機器・機関部品を製造する舶用工業は、わが国造船業を支える基盤的な産業であり、引き続きその社会的使命に応え発展させる必要がある。

また、舶用工業はわが国造船業発展の重要な担い手であると同時に、国際的に通用する舶用機器のサプライヤーでもあるが、その大半が中小企業あるいは零細企業で占められている。

したがって、これら事業者の経営基盤の改善を図る手段として、経営の多角化等を検討するとともに、舶用機器の信頼性向上に対応できる技術基盤を確立していく必要がある。

特に新造船については、今後モーダルシフトの推進等で大型化・合理化された高性能船舶の需要が増えてくると思われるため、ユーザーニーズの変化に的確に対応した船舶の供給が可能となるような研究・開発の必要性に迫られている。

 

○ 課題解決に有効と思われる具体策の例

1]陸上技術の応用による環境配慮型推進システムの開発

2]標準の見直しと研究開発の共同推進

3]助成金制度・税制優遇措置等による支援

4]情報交流の推進

・情報ネットワークによる技術関連情報の共有化

・産学官連携による海洋関連懇談会の設立

・荷主・オペレータ・船主との船舶ニーズ懇談会の開催

 

 

 

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