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2-3 舶用工業の現状

 

2-3-1 わが国の舶用工業の現状

 

わが国の舶用工業は、造船業の発展とともに船舶の建造に必要な舶用機器を、ほぼ完全に供給できる高度な製造技術を保持している。

舶用製品の市場は、国内はもとより、舶用内燃機関、航海用機器、機関の部分品・付属品などは、海外にも多く輸出されており、主な仕向地はアジア、北アメリカ、ヨーロッパとなっている。

国内的には、各国の200海里規制による漁船の減船等で漁船建造が減少し、漁船の建造を主としてきた造船事業所にとっては、厳しい状況となった。また、内航船の船腹調整制度の廃止や長引く経済不況の影響により、平成9年頃から内航船の建造量が大幅な落ち込みをみせ、舶用工業製品の需要にも大きな影響を与えている。

平成10年の舶用製品の全国生産額は、対前年比100.7%とほぼ横這い状態であった。これは、国内造船事業所の外航船建造の需要が好調だったことと、欧米における排ガス低減モデルに対する需要で、船外機と火花点火機関の生産量が大幅な伸びをみせたためである。長引く経済不況で国内的には舶用工業製品の大幅な需要増は望めない状況にあるが、近年、中国の造船業が日本、韓国に次いで世界3位まで成長しており、わが国の舶用工業にとって、将来有望な市場に成りうるものと考えられる。

わが国の舶用工業事業者の概要及び現況を以下に取りまとめた。

 

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図2-3-1 全国の舶用工業製品生産実績の推移

 

 

 

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