はじめに
この報告書は、モーターボート競争公益資金による、日本財団の平成11年度補助事業として、(社)海洋産業研究会への調査研究委託により実施した「関東地区中小造船・舶用工業の地域ビジョン策定に関する調査研究」事業の成果をとりまとめたものであります。
関東地区の中小造船・舶用工業界を取り巻く環境は、国内における物流構造の変化の進展、構造的な景気の低迷、漁業環境の変化などにより中小型船の建造需要が低迷し、厳しい状況となっています。さらに労働者の高齢化、熟練労働者の不足及び設備の近代化、技術力の向上のための経営資源の不足といった問題も一層深刻な状況にあります。
このような問題を解決するために、関東地区の中小造船・舶用工業の現状を調査・分析し、地域の特性を活かしたビジョンを策定のうえ、その具体的事例を示すことにより関東地区の中小造船・舶用工業の高度化・活性化・効率化を図っていく必要があります。
この事業では、関東地区の中小造船・舶用工業の将来像として、「新しい需要の創出」「工業技術の情報支援センター構想の実現」「近代化・合理化の推進」等の具体的な課題について調査研究を行いました。
この報告書が、関東地区の中小造船・舶用工業の発展と活性化のための指針となり、活用されることを期待致します。
なお、この調査研究は、横浜国立大学工学部教授角洋一氏を委員長とする「関東地区中小造船・舶用工業の地域ビジョン策定に関する調査研究委員会」の各委員並びに地元の造船業界、舶用工業界、学識経験者の方々で構成する作業部会及び各分科会の委員のご熱心な検討と協力によるほか、関東運輸局船舶部の御指導のもとに完遂されたものであります。
これらの方々に対し、心から感謝の意を表する次第であります。
平成12年3月
財団法人 日本小型船舶工業会
会長 真砂忠夫
