また、質問のフィードバックについては(図3)患者から質問があったこと、およびその内容を知らせて欲しいとする医師が92%であった。
B) 患者からの質問
患者からの質問は2か月の試行期間中で21件であった。質問内容は長期に服用中の薬についての質問(いつまで飲み続けるのか、副作用の心配がないのか)が最も多く8件。他の質問は副作用について、薬の剤形について、OTC薬についてなど多岐にわたっていた。また、回答を患者へ送付する方法は20件が郵送を希望、1件がEメールを希望した。回答の郵送に際し病院名が印刷された封筒の使用については、1名の患者が拒否の回答をした。
IV. 考察
今回の情報提供に先立ち実施したへき地診療所の医師に対するアンケートの結果、70%の医師が薬剤師による情報提供の必要性を認めていた。逆に薬剤師による情報提供について否定的な考えの医師の意見は、医師に説明すべき義務がある、すでに充分説明しているなどであった。この回答は医師がインフォームドコンセントについて配慮している結果であると言えるが、一方で、95年−96年に「薬のしおり」の試行を我々が行った際のアンケート結果では、患者が医療従事者に質問し難いケースもある、とする調査結果もあり、医師の考え方と患者心理が必ずしも一致していないとも考えられる。また、アンケートの回答の中で薬剤師にセカンドオピニオンとして処方についての意見を述べて欲しいとする回答も数件あり、一面で薬剤師が高く評価されているとも言える。