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また若手医師の大病院指向のため開業医の高齢化が叫ばれる中、へき地診療所が多くを占める国保診療所では50歳以下が約6割を占め高齢化の問題は小さなものであった。患者の服薬コンプライアンスが悪いと思っている医師は若手に多く、診療所勤務年数による医師患者信頼関係の違いによるものとも考えられた。今回、当該診療所の勤務年数を調査していなかったため比較検討はできず確認することはできなかった。今回研究協力者の診療所5箇所で行おうとした介入比較調査は設定の不備もあり行えなかったが、多くの診療所では薬剤師がいなくても我々が適切と考える方法で服薬指導が行われており、今回忙しさのため服薬指導にまで手が回らないと答えていただいた診療所に対し、今後医師でなく看護婦や受付事務員でも適切に服薬指導できる方法について提案していきたいと思う。

 

V. まとめ

全国国保診療所長に対するアンケート調査を通じて、ほぼ9割の診療所において薬の実物を示しながら口頭で服薬指導されていることがわかった。また医師の年齢別に回答の違いを解析したところ、服薬コンプライアンスが悪いと思われる患者さんの割合を若手医師の方が多いと感じていた。

 

VI. 謝辞

日本財団に対し心から感謝申し上げます。また合わせて調査に御協力いただいた国保診療所長各位にも感謝致します。

 

VII. 参考文献

1) 文書による患者への医薬品情報提供に関する多施設共同研究(その1)

原田和博他;臨床薬理28巻3号Page683-691(1997.9)

2) 老年患者の服薬コンプライアンス

上島悦子他;日本老年医学会雑誌29巻11号Page855-863(1992.11)

3) 残薬対策とその効果

蛯原由里子他;日本農村医学会雑誌46巻5号Page820-824(1998.1)

4) 診療所における高血圧患者の服薬状況

森沢和子他;プライマリ・ケア16巻1号Page54-59(1993.3)

 

 

 

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