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IV. 考察

A. 日系ブラジル人の生活現況

1997年末現在、外国人登録されているブラジル人は23万3千人である。年齢別ではやはり出稼ぎ世代の20歳台から40歳台が8割近くを占めている6)。来日する日系人は、90年代はじめは単独来日が多かったが、最近では家族を呼び寄せて同居したり、家族とともに来日するケースが増えているといわれている11)。今回の調査の結果は、そういった動向を良く反映しており、1994年の阿部らの北関東の調査1)や1997年の筆者らの栃木県の調査8)と比較しても、一層、既婚者で家族と同居する者が増加し、独身は23%しかみられず、単身生活する者は、わずか7.3%にすぎなかった。二世と三世の割合については、入管法改正間もない1991年当時からほとんど変わっていないようである。日本での滞在年数は、5年から10年が50.3%、10年以上が13.3%を占めており、1994年の阿部らの調査と比べても、在日期間の長期化ないし永住化が、かなりのスピードで促進されていると推測される。

次に会話能力、筆記能力の問題である。1994年の阿部らの調査から約5年が経過し、日本での日系人の滞在期間は延びたが、前回と比較して日本での滞在期間が延びた割には、日本語会話や筆記の上達がみられていないのではないかと思われた。このことは日系人が多く住む地域に南米のレストランや店ができ、また日本にいながらポルトガル語の新聞が読め、ポルトガル語のテレビをみることができること関係があるように思われる。

 

 

 

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