生活状況をみると、在留ビザでは3年以上の取得が83.4%と高く、1年が12.6%で、ビザ無しが1名しかいなかった。健康保険については、国民健康保険取得率が52.3%と高く、社会保険が6.6%で、保険を取得していない人も21.2%にみられている。居住形態は、家族と住んでいる人が多く、86.8%に及んだ。1人で住んでいるのは7.3%にすぎなかった。宗教的にはカトリックが68.2%を占めており、仏教は7.3%にすぎなかった。
経済的には、月収が20万円台から30万円台が37.7%、20万円未満が39.7%、30万円より上が15.2%であった。経済状況は「普通」あるいは「よい」と感じている人がほとんどであった。
B. SRQ-20得点について
今回の調査では、SRQ-20 の cut-off point をブラジルにおける調査9)ですでに用いられている8点とした。SRQ-20 の cut-off point の8点を越えた者は151名中15名(9.9%)であった。彼らを高得点群とし、7点以下の者136名を対照群とした。
C. 異文化受容について
日本人に会ったときの挨拶の仕方について(問b、表1)は、日本式が68.2%、状況によって使い分けるが30.4%占め、98%が日本式を使用していることになる。好みの料理について(問a、表2)は母国料理と日本料理の両方を選択した人が、86%近く、母国料理を選択した人が9.3%を占めた。友人について(問C、表3)は母国と日本人の両方が50%、母国の友人が47%を占めた。文化受容の準備性をみた「他の文化に出会いたいですか?」という質問(問j、表4)には、出会いに対する希望を持っている人がおよそ7割を占めていた。