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IV. 考 察
A. 疫学調査
本調査は,野村町在住の65歳以上を対象として被介護の有無による社会生活状況、ライフスタイル、主観的感覚、地域行事への参加、運動や仕事への従事との関係について調査し、主観的幸福感を構成する背景因子を検討したものである。
介護は、主として中高年齢の子供や高齢の配偶者が担っており、これらの人達に負担とストレスを強いることが指摘されている4)5)。本調査においても検討したすべての項目にわたって被介護者のいる群では、VAS値が有意に低かった。被介護者がいると介護者の4年間における死亡率が有意に高くなるとする報告19)もみられ、ストレスを感じなから介護にあたるとさらに高まるとされている。今回の検討で見い出された社会生活状況、ライフスタイル、主観的感覚などに対する被介護者存在のマイナス作用が積み重なれば、死亡率が増加することは容易に理解できる。