あとがき
今年度は、4年計画の2年度目の計画に従い送信信号生成制御部(IF部)の製造を主体に行い当初目標とした成果をえられた。なお、現在シュードライトは米国ほか各国でも開発中である為、その要件は時々刻々と変化している。本開発目標の一つにシュードライトの海外動向調査があるが、その調査を結果を機敏に生かし、シュードライトの仕様もその様な海外の開発状況に対応させて、初年度の基本設計より更に冗長性に富んだ設計に変更を行い、製造を行う事ができたのも、本年度の成果と言える。
以下に主な成果の概要を示す。
1]オハイオ大学などで開発が進められているC/Aコードからのハンドオーバ型APL用受信機でも利用が可能であるように、本来のAPLコード送信に加え、C/Aコードも選択的に送信可能なように設計変更し製造した。
2]平成12年度に製造を計画していた、GPS時刻同期用タイミング発生器の仕様を、GPS時刻に同期した基本クロックまで発生できる仕様に変更し、また、IF部と一体でその性能評価がより明確となる為、本年度に繰り上げて製造した。
3]IF部設計時のAPLクロックオフセットなどの検討結果に基づきその値を、RTCA SC-159委員会に提案した。その結果は審議中のLAAS SISのGBAS APL用放送メッセージ(タイプ3)仕様に反映された。
4]羽田空港に仮想的なAPLを設置した場合の精度に関するアベイラビリティ解析を行い、APLの有用性を確認した。
今後は、基準発信器及び最終年度には送信アンテナを製造し、シュードライトを完成させる。また、その性能の検証に必要な解析・評価ツールの制作、機上機器の開発などを行いシュードライトの総合的な評価・検証試験を行う計画である。
本システムは飛行試験をもって実用性の評価が得られる。したがって困難で期間も要するが、飛行試験をも視野に入れた評価が実施できるよう、当初の試験計画の向上を予定している。
このようにして、本開発を空港におけるシュードライト整備に役立てて行く計画である。