詳細については「平成10年度地上疑似衛星を用いた精密進入援助システムの開発報告書」を参照。
(2) 平成11年度
(a) 送信信号生成制御部の開発
C/AコードならびにPコードを生成、スペクトラム拡散変調を行う送信信号集成制御部の開発を行い、平成10年度製作のRF部と組み合わせてシュードライト送信信号の基本的機能の確認を行った。
(b) 海外動向の調査
シューライトに関するRTCAの動向調査、ION等学会でのシュードライトに関する動向調査を行った。
(c) 評価計画の策定
地上疑似衛星開発の主要ポイントである地上疑似衛星のクロックによる短期安定度/長期安定度の変化による適正クロックの評価/選定計画、バイアス問題/遠近問題による擬似距離変化の評価計画の策定について下記として記述する。
1]地上疑似衛星のクロック評価計画の策定
地主疑似衛星は地上に設置されるが、GPSとの時刻同期が必要である。GPS時刻との同期はVHF等の補強情報の放送によっておこなわれる。
具体的にはGPSと地上疑似衛星の時刻差は補強情報のType1とType3によって機上に伝送され、補正される。
Type1はSA等による比較的早く変化する誤差或いは比較的小さい誤差を補正するために2Hzの高速で行われ、現在のRTCA資料によると、±322.67mの範囲を最小単位0.01mで補差することが規定されている。
しかしながら、GPSでのクロックオフセットと同様に、長期に渡って大きく変化する地上疑似衛星の時刻変化をType1のみで補正することはその限定された補正範囲の量のためできない。そこで、Type3のAPL Clock Offset(最大範囲±21,474,181.12m、最小単位0.01m)で補正することになる。