あとがき
運航管理地上支援システムを適用し得る小型航空機として、我が国で利用密度が高く安全飛行を要請されているヘリコプターを対象として、研究を進めることとした。また、現在計画あるいは試験運用されているシステムの調査を行った。これらの調査結果を参考として、小型航空機のための簡易な運航管理システムを設計試作し、評価を行った。
すなわち、現在利用できる航法機器としてGPSによる表示装置を、また広域を覆う衛星通信機器に代わる通信機器として、ACARS対応のVHFデータリンクを用いて、小型航空機のための運航管理支援システムを目的とする試験用雛形簡易システムを構築した。これらの機器を利用するに当たって必要なソフトウェア、ハードウェアの検討と設計がなされ、必要な改修を施した。これに基づいて代表例と考えられる基本機能の評価を行った。
運航管理のためのADS機能、気象情報の伝送と表示、データリンク接続などについて、通信伝送遅れ、伝送情報内容の確認等のデータを集めることが出来た。通信をVHF回線によって代行したが、システムの機能は、通信不能地域の確認と合わせて、予期以上の成果を上げることが出来た。これら、機能は人工衛星の利用によってより多くの発展が臨まれる。また衛星通信の利用によって、錯綜した地形、環境においても有効なシステム構築が可能となり、多大の利便が与えられるものといえる。将来において、衛星通信環境における、小型航空機用の簡易運航管理システムを構築し、試験評価を行うこととなれば幸いである。
これによって、小型航空機の利用が益々増大することに応じた、航空機の安全運航、緊急時における迅速な対応のために重要な、システムの基礎概念が得られた。
平成12年3月
財団法人 航空振興財団
小型機運航に対する地上支援システムのあり方調査・研究委員会
委員長 東口 實