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図4-16 ARNAVシステムの6軸チャートマッピング結果

 

4.4.8 TCAS(参考)

TCASはトラフィック情報の授受のみを目的としたシステムであり、前項までに記述した通信システムとの比較を行うことはできないが、すでに多くの大型機に搭載されていることから、トラフィック情報を検知するシステムの参考事例として以下に記述する。

 

(1)提供サービス

TCASの提供するサービスはリアルタイム性が高い上、プロトコル上でメッセージの順序性確保、送達確認がなされているものの、非搭載機については検知対象とならない。現状、TCASは、他機が接近した場合にTA(トラフィックアラート)を提供するとともに、他機側搭載TACS装置とのネゴシエーションにより回避方向のアドバイスを行うRA(レゾリューションアドバイザリ)の提供を行うが、パイロットはTAが発出された場合、TCASの表示をもとに相手機の目視確認に努め、TAのみに依存して回避を行ってはならないこととなっている。

 

(2)適用空域

TCASについては(1)に示したように、航行空域における非搭載機の存在による提供サービスレベルの問題はあるが、適用空域については制限を受けることはない。

 

(3)オペレーション負荷

TCASについては、他機が接近した場合にTA(トラフィックアラート)が提供されるがそれに加えて他機側搭載TACS装置とのネゴシエーションにより回避方向のアドバイスを行うRA(レゾリューションアドバイザリ)についても提供される。したがって、システムによる的確な状況判断がなされているといえる。

 

 

 

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