4.4.4 通信媒体としてVHF・衛星通信(ACARS)を併用した場合の本試用システム
(1)提供サービスに関する評価
本試用システムの通信媒体として、VHFおよび衛星通信(ACARS)を併用した場合、ログオン手続きの発生や、衛星間伝送遅延が発生するものの、これにより提供サービスレベルが変化することはないと考えられる。したがって、本ケースの「提供サービス」に関する評価レベルはAとする。
(2)適用空域に関する評価
試用システムに衛星通信を適用した場合、山間部および離島間でのサービス提供が可能となるが、リアルタイム性の問題からターミナル空域での適用は困難であると考えられる。したがって、本ケースの「適用空域」に関する評価レベルはBとする。
(3)オペレーション負荷
本ケースにおいては、試用システムと通信媒体が異なるのみであることから、オペレータにかかる負荷は試用システムと全く変わらない。したがって、本ケースの「オペレーション負荷」に関する評価レベルはBとする。
(4)提供コンテンツ
提供コンテンツについては試用システムと同様であるため、本ケースの「提供コンテンツ」に関する評価レベルはAとする。
(5)ランニングコス卜
本試用システムのランニングコスト導出にあたっては、4.4.3において記述した仮定に、以下の項目を加えることとする。
・衛星通信を利用した場合、1ブロックあたり60円の料金が加算されるとする。
・通常は衛星通信料金については通信エラーとなったメッセージについても課金されるが、ここでは考慮しないこととする。
・1フライト内での衛星通信とVHF通信の利用割合は1: 2とする。
・衛星通信プロバイダ側管理費用を年間15,000円/機とする。
上記の条件を加えランニングコストを算出する。VHF通信のみの場合と比較して変更となるのは、通信費用および管理費用で、
通信費用:
10(時間/機・月)×(40(ブロック)×48(円))+{20(ブロック)×(48(円)+60(円))}×10(機)=408,000(円)
管理費用:
15,000(円)×10(機)÷12(ヶ月)=12,500(円)