4.4.4 処理短縮設計
TDMA制御部は、VDLモード3の最も重要な構成で、モード3のTDMAタイミングの生成を行うとともに、リアルタイム性に優れた、処理を行わなければならずタイミング的にクリティカルである。このため、リアルタイム性を重視した設計を行う必要があり、VDLモード3の特徴を把握しながら検討を行った。
(1) 処理負荷分散
モード3のフォーマットには、MバーストとV/Dバーストに大別される、また一方、実運用を検討する場合、送信所と受信所が分割される場合もある。このため、本試作では、送信系と受信系に分割し更に、MバーストとV/Dバースト処理をそれぞれ異なったユニットで処理を行っている。これにより、少なくとも1スロット分の30ms間隔の処理時間を確保する事が可能である。
(2) 処理の最適化
高速化させるために、最適な処理構成を検討する必要がある。TDMA制御部の処理負荷の大きい物として、リードソロモン符号処理とGOLAY処理の誤り訂正処理がある。これらには、符号化と復号化が必要となり、処理により最適な条件が異なる。本試作では、リードソロモン処理を専用のハードウェアで実現している。このハードウェアは、ローカルバスラインでデータの入出力を行うだけで、符号化、復号化が可能であるため、処理負荷が軽減される。
GOLAY符号は、12ビットとデータ長として短いため、符号化には、テーブル化したデータをフォームウェアで呼び出すようにしている。