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2. ICAOにおけるリアルタイム空地データリンクの規格検討状況

 

2.1 AMCP/6の討議内容

 

1999年3月にカナダ/モントリオールICAO本部で開催されたICAO航空移動通信パネル第6回会議(AMCP/6)における検討概要を以下に示す。

 

2.1.1 概  要

 

会議では、航空航法委員会がAMCP/5の勧告4/3(VDLモード2のスペクトル・マスクを1998年内に見直すこと)に対して、ワーキンググループBが行った活動、超短波(VHF)ディジタルリンク(VDL)モード2無線周波数(RF)SARPsの改訂に関連するものとして検討した。この活動を開始した理由は、英国で実施され、その後合衆国でも実施されたVDL装置による幾多の試験の結果である。この試験結果は、航空機上のVHF両側波帯振幅変調(DSB-AM)受信機のVDL機上送信に対する感度が予測をはるかに上回るものであったことが報告された。

ワーキング・グループBは、以下の2回の会議を開催している。

・1998年7月30〜31日: 米国 ワシントンD.C.

・1999年1月19〜28日: 米国 ハワイ/ホノルル

 

2.1.2 ワーキング・グループの活動報告

 

2.1.2.1 提議された試験に基づき、VHF DSB-AM信号の受信に対し十分な保護を与えることを配慮した保護比(所望対非所望(D/U)信号比)が設定された。音声品質への妨害の容認性に関する専門家による主観的評価を取入れて、限定された数の代表的なVHF DSB-AMシステムに試験を実施した後、保護比は30dBとすることで合意した。

 

2.1.2.2 VDLサービスの計画作成に関する合意されたD/U比要件の影響は、当該送信のRFスペクトル幅によっても左右されることが判明した。この場合、VHF DSB-AMの音声送信に比べ、VDL差動8相位相変調(D8PSK)方式の送信は、更に多くの隣接チャネルにより拡張された。これは、VHF帯域内でVDLサービスを計画する方法に影響を与えることが示された。

 

2.1.2.3 その他の想定として、無損失等方性機上アンテナの端末における最低限の所望信号レベルを、Annex10の第?巻第?部、第2章の2.2.1.2項、「航空機及び自由空間伝搬間における2000ft(300メートル)の最小分離距離」と矛盾しないよう‐82dBmとした。

 

 

 

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