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以上から、ネットワーク利用による情報リテラシー向上には次の二種類があると定義付けることができる。

・ネットワーク上で討論や情報交換を行うことにより、情報収集・情報発信・プレゼンテーション技術などを実地に学ぶ形の研修

・WWW上の教材の指示に従って、学習や小テストなどを経験して知識を深めていくWBT(Web Based Training)

 

2 特徴

ネットワークを利用した情報リテラシー向上策の特徴は次のとおりである。

 

(1)電子メール・電子掲示板・電子会議室を用いた研修の特徴

・不特定多数の人間との討論形式の研修に向く。

・集合研修が「原理を教えて応用させる」演繹型学習であるのに対して、不特定多数の参加者との議論や情報交流による学習は、その行為そのものが「顔を知らない相手との円滑なコミュニケーションをどのようにして成功させるか」を考える場になるように、「多くのケースから自分で問題を発見し、解決ないしは原理原則を導き出す」という、これまでの地方公共団体における研修体系に例の少なかった問題解決型学習である。

 

(2)WWWを用いた研修の特徴

・体系的知識の研修に向く。

・紙媒体の教材では実現できない動画や音声などを用いた、よりわかりやすい教材提供が可能である。

 

(3)共通の特徴

・研修時間をあらかじめ定めておく必要はなく、受講者が自分の都合に合わせることができる。

・参加と継続を支えるのは基本的に個人個人の動機であるため、他の研修方式よりも受講者の能動的参加が必要である。したがって、研修目標やテーマが明確でないと研修効果が上がらない。

・印刷を要する紙媒体の教材に比べて、改訂などのコストが少なくて済む。

 

 

 

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