現在、人材育成で重要となっているのは、情報活用能力(情報の判断、選択、整理、処理能力及び新たな情報の創造、伝達能力など)を持った人材育成であり、これを育成していくためには指導者や環境などの課題を克服していく必要がある。
2 高度情報化社会の人材育成
高度情報化杜会の特性はネットワークの発展が急速であり、将来においては、文字・画像などの情報の形態によらない高速な情報交換環境の実現やいつでもどこでも情報を受発信できる環境の実現、情報交換のバリアフリー化などのように技術的環境が高度化していくと考えられる。
これらは、生活や業務において個人と家族、地域、組織、社会との関係や形態を再編していくものでもある。情報自体に価値を見出すことで、大衆志向から個人志向へと移ることが考えられる。個人としてみれば、自己責任性が増大し、自立して行動できることが求められる。
また、これからの高度情報化社会では、空間的な制限がない組織が多くなってくると考えられる。このようにして構成された組織がバーチャル・コミュニティである。バーチャル・コミュニティにおいては、すべてにおいて平等な組織を構成することも可能であり、また、モラルや規則を置くことも重要で、参加者もコミュニティに応じて多様な価値観があることを理解し、また、参加者自身も多様な価値観を持つことが重要となる。
このような時代になることに伴い、人材育成の基本は「情報活用能力」の向上が基礎であり、高度情報化社会の特性を考慮したコミュニティ参加能力(組織のコーディネート能力、情報の共有化能力など)も重要である。