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b) SC-DSC情報をもとに、ある一定の発生熱量(1000J)以上となるよう試料量を設定すれば、ARC測定時の試料量が変動しても得られるSADT値に差が無いことが確認された。

c) 今回用いた2試料の場合、汎用的に使用されている3種類の容器材質によるSADT値はほぼ同一の測定結果を与え、容器材質による影響はないことが確認されたが、φ補正との関連についてはさらに検討する必要がある。

 

3) 今後の検討課題

a) 室温以下のSADT値を有する試料についてARCによる測定法の検討を行う。

b) ARCによるSADT値と国連による値との間で差異の生じた試料について、蓄熱貯蔵試験を実施し、検討する。

c) 試料容器材質がSADT測定値に与える影響及びφ補正との関連について確認する。

 

4.3 まとめ

国連勧告による試験方法及び判定基準の詳細を理解し、問題点を明らかにするとともに、必要により改善提案を行うため、今年度はクラス8腐食性物質についての金属腐食性試験方法及びクラス4.1 自己反応性物質及び5.2 有機過酸化物についてのSADTの予測手法について調査研究及び委託研究を行った。

その結果、金属腐食性試験については、試験を実施する上での貴重なノウハウに関する知見が得られた。また、ARCはSADT予測のための有効なスクリーニング試験としての可能性があることが示唆された。

今後これらの試験についてはさらに検討を行い、試験方法を確立するとともに、改善提案を行う必要がある。

 

 

 

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