SADT算出方法
熱補正後の温度と最大反応速度到達時間(TMR: Time to Maximum Rate)プロット図より、時定数θとの接点を作図し、熱暴走温度(TNR: Temperature of No Return)を求め、下記関係式よりSADT値を求めることができる。
SADT=TNR -(R/E)・(TNR)2
時定数θは、物品Aが発熱反応を生じた場合の熱発生速度とその容器による冷却速度の一致する点(この点よりも熱発生速度が大きくなれば、反応は停止できない: TNR)での値である。
即ち、
dQ/dt=[A]・Cs・(dT/dt) と dR/dt=U・S・(T-Ti)
が相等しくなる点であり且つその部分での温度変化も一致する点である。
d(dQ/dt)/dT=[A]・Cs・d((dT/dt))/dT=d(dR/dt)/dT=U・S
従って、[A]・Cs=U・S・θ
θ=[A]・Cs/(U・S) ここで、U:総括伝熱係数
S:表面積
計算例) 1m角の容器(総括伝熱係数11.2)に25Kg試料(比熱0.5)が入っているとした場合は
θ=25(kg)・0.5(kcal/kg/K)/11.2(kcal/m2/hr/K)/6(m2)=9.6(hr)
TMRプロット図(例)を次に示した。