第5章 結言
5.1 本年度の調査研究成果概要
本研究において以下のことが成果として得られた。
1) ARC測定によりSADTが少量で且つ短時間に予測できることが明らかになった
2) 試料量については、SC-DSCの情報をもとに、総発熱量1000J以上を維持して設定すればよいことが確認された
3) 容器材質については、汎用的に使用されている3種類の容器材質をもちいて測定すれば、ほぼ同一の測定結果が得られることが確認されたが、φ補正との関連性については更に検討する必要がある
4) 熱慣性補正に関しては、Huff法でもまたARC2000法でもSADTを求める際には、大きな影響がなかった
5.2 今後の検討課題
今後の検討課題として以下を掲げる
1) 室温以下のSADT値を有する試料のARC装置を用いた測定
2) ARC測定値と国連SADT値の間で差を生じた試料のデュワー瓶試験の実施
3) 試料容器材質が測定値に与える影響及びφ補正との関連性についての確認
5.3 終わりに
本年度テーマについては多くの成果及び検討課題を示すことができ、平成12年度は本テーマを含む2テーマについての研究完結を目指す。このような研究の機会を提供いただいた「日本財団」、社団法人「日本海事検定協会」及び委員会にご参加の関係各位に謝意を表します。