日本財団 図書館


4.3 IMO・IMDGコード

4.3.1 沿革

国連経済社会理事会は、連合海運協議会(1946年、ワシントン)が作成した国連専門機関として常設的な「政府間海事協議機関」(Inter-Governmental Maritime Consultative Organization、IMCO)を設置する条約草案を審議する国際会議の開催を決めた。この会議は、国連海事会議と称され、1948年3月に開催し、前述の条約草案を審議の結果、これを採択した。この条約は、1958年3月17日わが国が受託書を寄託した日に発効し、IMCOが正式に設立された。IMCOは、1982年5月「国際海事機関」(International Maritime Organization、IMO)と改称された。

船舶による危険物の安全運送に関する検討は、1929年の SOLAS条約会議で国際運送規則の必要性が提起され、1948年同条約会議では危険物の分類、一般規定が議題として採り上げられ国際規則起草のための研究調査を行う旨の勧告を採択した。1960年の同条約会議は、条約第?章に危険物の運送の一般規定を設け、IMCOに対して危険物運送の具体的要件を含む国際規則の作成を勧告した。この勧告に基づき、IMCOでは、海上安全委員会の下の危険物運送小委員会において国連勧告の基本的要件を採り入れた危険物の船舶運送上の要件、即ち、危険物の容器、包装、積載方法、隔離、船積書類等を具体的に検討し、1965年にクラス1及び7を除く危険物について、さらに1971年にはこれらを含む全ての危険物についての運送基準としてInternational Maritime Dangerous Goods Code (IMDGコード : 国際海上危険物規程)を完成した。

IMDGコードは、出版後各国において当該国の危険物船舶運送規則として採り入れられ、現在約50ケ国がこれを全面的又は部分的に自国の規則とし採り入れている。この中には主要海運国のほとんどが含まれており、IMDGコードは、現在では危険物船舶運送のバイブル的存在となっている。1998年5月現在のIMDGコードの各国での実施状況を「表1」に示す。

わが国の危規則も、IMDGコードをほゞ全面的に採り入れたものであり、国際的にも通用するものであるといえる。

4.3.2 構成

IMDGコード (Amdt. 29-98) は、5分冊約 2,000ページに及ぶ膨大なものであり、危険物の海上運送要件を具体的、かつ、詳細に規定している。

第1分冊には、コードの基本となる総則規定、総索引及び容器勧告(附属書I)が定められている。第2分冊から第4分冊までは、クラス1(火薬類)、クラス2(高圧ガス)、クラス3(引火性液体類)、クラス4(可燃性物質類)、クラス5(酸化性物質類)、クラス6(毒物類)、クラス7(放射性物質等)、クラス8(腐しょく性物質)及びクラス9(有害性物質)に属する危険物の品名毎の容器包装、積載方法等の詳細規定が納められている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION