(2) 米国における危険品輸送関係者の訓練
1993年10月1日より危険品輸送の安全確保の観点から、その関係者に訓練が義務づけられ、米国へ就航する危険品運送船舶の乗組員についても適用されることとなった。米国及び米国水域において危険品の運送に従事する次の関係者(HAZMAT EMPLOYEE)に適用される。
1. 危険物を積荷、揚荷、又は取り扱う者。
2. 危険物の運送に使用するためのコンテナ、ドラム、パッケージの表示を行う者製造、テスト、詰め替え、修理、変更、マークを行う者。
3. 危険物の運送の手続きを行う者。
4. 危険物の安全運送に責任を有する者。
5. 危険物の運送に従事する車両運転者。
対象となる危険物について、分類、容器等級、収納量、輸送頻度等の除外規定はないが、自動車のみを輸送する自動車専用船については、適用除外となる。
危険品の運送に従事する者が「危険物の認知・識別」、「従事者の作業・担当に応じた49CFRに規定されている要件」及び「非常時の措置についての情報、人体保護、事故防止、救急処置、非常措置等に関する事項」について精通するように次の内容につき訓練しなければならない。
1]一般訓練(GENERAL AWARENESS/FAMILIARIZATION)
49CFRに規定されている要件及び危険物の情報伝達を図るための危険物の識別に関する一般的知識。
2]職務特定訓練(FUNCTION-SPECIFIC TRAINING)
従事者の作業担当に応じて「危険品輸送の準備」、「書類作成」、「荷造り」、「マーキング、ラベリング」、「取扱い」、「積載方法・隔離」、「容器の検査試験、表示、販売」等について49CFRにそれぞれ規定されている事項。
但し、IMDGコード(国際海上危険物規程)及び ICAO TECHNICAL INSTRUCTIONS(国際民間航空機関危険物運送指針)に規定されている該当する内容の精通をもって替えることができる。
3]安全訓練(SAFETY TRAINING)
危険物を取扱いまたは運送する者の安全に関して、49CFRに規定されている非常時の措置についての情報、危険物の性状からの防護、事故予防方法、危険品の適切な取扱い方法。
【補足1]】(社)日本船主協会では、この訓練のためのテキストを作成し、関係船社はそのテキストを基に訓練を実施している。