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1.5.5 カーフェリー、鉄道車両渡船による危険物の運送

危険物を積載した貨車及び自動車等を鉄道車両渡船又はカーフェリーにより運送する場合は、危規則第20条、第22条の10の2及び第22条の10の3の規定による。カーフェリーによる運送の場合には、カーフェリーが国際航海に従事するか否かで要求される要件が異なる。すなわち、危険物を積載した自動車等を国際航海に従事するカーフェリーにより運送する場合には、当該危険物に対してIMDGコードと同様の内容である危規則の要件がかかるのに対して、国際航海に従事しないカーフェリーにより運送する場合には、当該危険物に対して一部の規定を除き、危規則の要件は適用されない。なお、危険物が火薬類である場合には、包装、表示等について他の命令(昭和36年運輸省令第1号「火薬類運送規則」、昭和35年総理府令第65号「火薬類の運搬に関する総理府令」)の規定による。

カーフェリーによる運送に関する規定の中で、当該自動車等の船舶への搭載場所の指定については、船積地を管轄する地方運輸局長の指示を受けることとされているが、昭和59年9月1日以降に建造又は建造に着手されたカーフェリー等にあっては、危険物を個品運送する一般貨物船と同様に、危規則第22条の11に定める防火等の措置を講じ、危規則第22条の12により交付を受けた「危険物運送船適合証」中で指定された場所に、当該自動車等を搭載しなければならない。

また、旅客を搭載している船舶により、危険物を積載した貨車及び自動車等を運送する場合、当該貨車及び自動車等への積載が禁止されている危険物(液体アンモニア、塩酸等)があるので注意しなければならない。

1.5.6 検査等

危険物を運送する場合には、ある種のものについては積載方法やコンテナへの収納方法について船積地を管轄する地方運輸局長又は運輸大臣の認定法人((社)日本海事検定協会)の検査を受けなければならないとされている。また、この他に危険物の個品運送に供する容器に関する性能試験が昭和62年1月1日から施行されている。これは当該容器及び包装の所在地を管轄する地方運輸局長又は認定法人((財)日本舶用品検定協会)が行う。以下これらの概略について述べる。

1.5.6.1 積付検査

次に掲げる危険物を積載する場合には、船長は、積載方法その他積付けについて積付検査を受けなければならない。

(1) 火薬類であって次に掲げるもの

(イ) 等級が 1.1.1.2又は1.5で正味質量 250キログラム以上のもの

(ロ) 等級が 1.3又は1.6で正味質量 500キログラム以上のもの

(ハ) 等級が 1.4で正味質量 1,000キログラム以上のもの

(2) 高圧ガスであって次に掲げるもの

(イ) 液化ガスで、質量 3,000キログラム以上のもの

(ロ) 液化ガス以外のガスで 300立方メートル(摂氏0度で0メガパスカルの状態に換算した容積をいう。)以上のもの

(3) 毒物であって、容器等級が1のもので正味質量が15キログラム以上のもの

(4) 放射性物質等(L型輸送物を除く。)

(5) 有機過酸化物(告示別表第7の容器及び包装の欄において最高運送温度(非常温度)が定められているものに限る。)で正味容量30リットル以上のもの

 

 

 

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