荷崩れ数値解析で用いた試料の密度は、1,550 (Rio Tuba)〜1,830 (Boakaine) kg/m3の範囲であり、剪断抵抗係数や粘着力と比較して、範囲は狭いと言える。よって、試料の密度の違いがニッケル鉱の代表円錐貫入力と荷崩れ危険性の関係に及ぼす影響は小さいと考えられる。貨物の密度を1,700 kg/m3とし、4.3,2節で述べた貨物パイルの形状及び横傾斜角度の条件下で、臨界安全率1.2に対応する剪断抵抗係数と粘着力を求めると、図4.6.1が得られる。図の横軸は剪断抵抗係数(摩擦係数)、縦軸は粘着力である。グラフは密度を1,700 kg/m3とした場合の臨界安全率1.2に対応する剪断抵抗係数と粘着力の組合せ、黒丸は臨界安全率1.2に対応する各試料の剪断抵抗係数と粘着力(表4.6.2参照)、試料名と共に示した数値は、臨界安全率1.2(水分値の上限)に対応する代表円錐貫入力である。図は、臨界安全率1.2に対応する代表円錐貫入力が、剪断抵抗係数と粘着力の組合せにより異なることを示唆している。