試験回数を決定するに際しては、円錐貫入予備試験の結果に基づき、試験回数と最大円錐貫入力の最低値の関係を調べた。結果を図3.3.3に示す。図において、白丸及び黒丸は最大円錐貫入力の計測値、細線は、当該実験の前後のデータを含む計3データのうちの最低値、太線は、当該実験の前後の2データを含む計5データのうちの最低値である。この図より、実験回数3回の場合と5回の場合で、最大円錐貫入力の最低値には、特に最大円錐貫入力が200 N程度の場合は、有意な差は無いと言える。そのため、実験回数は3回に決定した。
以上をまとめると、ニッケル鉱荷崩れ危険性評価試験においては、円錐貫入試験を3回実施し、最大円錐貫入力の最低値(代表円錐貫入力)により試験結果を代表させることとした。
3.4 試験法マニュアルの作成
以上の検討結果に基づき、ニッケル鉱荷崩れ危険性評価試験法のマニュアルを作成した。マニュアルの作成に際しては、日本語版と英語版を同時に検討し、案を作成した。作成した日本語版の案に基づき、ばら積み貨物の試験に馴染みの無い方々に、実際にマニュアルに基づいて試験を実施していただき、また、マニュアルの分かり難い箇所等を指摘していただいた。試験実施の場所、日付、参加者は以下の通り。
場所: 船舶艤装品研究所
日付: 平成11年12月2日
試験実施者:
宮田修(船舶技術研究所)
竹下修((株)商船三井)
参加者:
田中正人、村山雅己(船舶艤装品研究所)
太田進(船舶技術研究所)
検討結果に基づき、写真の追加、記述の追加・修正等を行い、マニュアルを完成させた(付録1参照)。