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7-1.保険関係の電子化

 

Q7-1-5:現在、Non-Policy方式(保険会社で保険証券を発行せず、インボイスに保険会社の名称を押印するInsured Invoiceで対応)は、電子化後はどの様になるのですか。

Non-Policy方式は、日本の大手メーカーが海外の現地法人向けに貨物を輸出するケースに採用されています。信用状(Letter of Credit)決済を伴わない為に保険証券も必要としないNon-Policy方式の引受は、契約者サイドでは船積毎の保険申込手続きが不要となり月間貨物輸送額をまとめて申告すればよく、損害保険会社サイドも保険証券の発券事務が省かれ保険料も一括徴収できます。契約者と損害保険会社の相互にとって簡便型の事務処理でもあります。

【電子化後は】

電子化された後も契約者が電子保険証券の発行を必要としなければ、Non-Policy方式の引受は継続すると考えます。電子化されれば、電子保険証券の発行は瞬時にできるのだからと言う理由で損害保険会社に全件申込をしなければならないと契約者サイドで考える必要はありません。保険申込が電子化されても、Non-Policy方式は適正な包括引受方式であり、わざわざこれを電子保険証券を一件毎に発行する個別引受方式に変える必要性はありません。

 

7-1.保険関係の電子化

 

Q7-1-6:過去に取引をしていないのですが、インボイス/船荷証券のデータ情報を転記した保険申込データ(売手/買手/貨物名称/貨物価格/貨物の梱包方法/輸送方法/輸送開始日/積込日/積込港/荷卸港等)を送信すれば損害保険は引き受けてもらえるのですか。

ご質問の保険申込データでは、不確定要素が多く損害保険会社としては安全度を見込んでどうしても厳しい保険条件・高めの保険料率で対応せざるを得ないと思います。貨物保険は、レディー・メイドの保険ではなくテーラー・メイドの保険であることを理解して下さい。輸出入貨物を取り扱う外航貨物海上保険は、自由料率/自由設計の保険商品で、損害保険会社は過去の統計データから貨物別にそれぞれ料率の理論値を持っていますが、契約の継続性/保険料ボリューム/再保険の手配等も加味した上で条件と料率を提示しています。

 

 

 

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