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I. 環境問題と運輸

 

運輸は、経済社会活動の基盤であり、豊かな暮らしを実現するために欠くことのできないものです。しかしその一方で、運輸においては、その移動体である自動車などの交通手段によりエネルギーが多量に消費され、その結果として地球温暖化の原因となる二酸化炭素や大気汚染の原因となる窒素酸化物など、環境に負荷を与える物質が排出されています。

近年、大都市を中心とした窒素酸化物等による大気汚染問題が依然として厳しい状況にある中、特に、人間の諸活動に伴う二酸化炭素等の温室効果ガス排出量の増加に起因した地球温暖化問題が世界的にクローズアップされています。運輸部門における二酸化炭素排出量は年々増加しており、今後も需要の伸び等によりさらに増えるものと予想されています。

1994年に発効した気候変動枠組条約では、「気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させる」ことが究極的な目的として定められています。

この目的に向けて、今後見込まれる交通需要や利用者のニーズに適切に応えながら、輸送機器のエネルギー消費効率の向上、低公害車の普及、物流の効率化、公共交通機関の利用促進等の対策により、極力エネルギーの消費を抑え、二酸化炭素や窒素酸化物などによる環境負荷を抑制し、地球環境にやさしい運輸交通システムを形成していかなければなりません。

 

●環境問題の分類・整理

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