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今運輸省さんが中心になって提案されていますような増税と減税両建てのグリーン化ということについては私どもは賛成しておりません。もしグリーン化をするのであれば、今現在もうかなりの程度グリーン化されていると考えられております減税を中心にしたグリーン化ということで進めるのが現在は一番適当ではなかろうか、こういう立場から今日はお話ししたいと思っております。

 

○佐和 私はなぜ増税が必要かということを後ほどお話しいたしたいと思います。

いずれにせよ、97年の12月に京都会議があって、その後、今98年、99年、約2年を経たわけですが、その間いろいろなことがこの国でなされました。まず98年の1月早々、地球温暖化対策推進本部という、当時の総理大臣の橋本龍太郎さんを本部長とする本部ができて、温暖化推進大綱ができたり、その後、省エネルギー法の改正、そして温暖化対策推進法という法律ができたりしていろんな動きがあったわけですが、私は、後ほど申し上げますとおり、日本は自由主義国家であり、市場経済の国です。したがって、なるべく規制的措置は最小限にとどめて、例えばこの自動車税制のグリーン化に代表されるような経済的な措置というものに重きを置くべきである、そういう立場でございます。

 

〇神野 東京大学の神野でございます。

私は、ご出席されていらっしゃるパネリストの方々と相違いたしまして、この地球温暖化問題に関しては素人でございます。専門にしておりますのは租税、特に地方税を研究いたしております。東京都で条例によりまして、低燃費車ではなくて低公害車にかかわる租税の改正をいたしましたけれども、それに関する委員会の責任者を仰せつかっておりました関係でこうした問題に首を突っ込んだということでございます。

したがいまして、私は、税金そのものを環境に優しいような租税に変えていこうというように考えておりますので、つまり世の中の正義といいますか、社会的な公正に関する考え方が環境問題を軸に大きく変わってきているので、そういう観点から税制全般を見直そうという問題意識を持っております。今日は、そういう観点からお話をさせていただきたいと思っております。

 

 

 

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