第1章 フラミンゴの現状と課題
1. フラミンゴの概要と特徴
はじめに、ポケットベルを活用した傭車システム「フラミンゴ」について整理する。
(1) システム構築の目的
・異なる運送事業者同士が密接な情報交換による相互連携の体制を確保し、融通配車による輸送効率の向上を図ることにより、地球温暖化、大気汚染等の輸送による環境への負荷を軽減するとともに、輸送の最適化を図り、中小運送事業者を取り巻くさまざまな課題を解決する。
(2) システムの内容
1] システム概要
・当システムは依頼を受けた運送事業者が、自社で対応できない場合あるいは対応するにも配車に時間がかかるような場合、依頼情報を他社に流し、より短時間で配車できる運送事業者が対応するものであり、また、このように互いに空いている車両を利用することで予備車両も削減することで輸送効率化を図ることができ、走行距離が少なくなるため、環境面、交通渋滞軽減にも寄与する。(求車情報のみ)
2] システム全体像
・システムの全体像は以下の3つのネットワークから構成される。
■傭車システム「ポケベルの一斉同報による傭車情報の配信システム」
■「料金決済等貸借関係決済システム」
■「パソコン通信ネットワーク利用による全国システム」
現在実施されているのはこのうち1]「ポケベルの一斉同報による傭車情報の配信システム」のみで、他の2つのシステムは実施には至っていないが、今後インターネットの活用等により実現する可能性はある。
傭車システム「ポケベルの一斉同報による傭車情報の配信システム」の内容
1) ユーザーからの依頼を受けた会員企業が、自社で対応不可能の場合、会員企業に向けて12桁のコードを一斉発信する。(NTT DoCoMo基地局を経由)日時、荷物の種類、トラックの種類、発地、着地、企業等の情報をコード化して発信する。
2) 発信された傭車情報が即時に各会員企業のポケットベルに一斉配信される。
3) 要請に応えられる会員企業が依頼した企業と直接連絡を取り、詳細条件を確認し、条件が合えば成約となる。