6. あとがき
今回の調査では排出ガスおよび燃費に対象を絞り、1台のガソリン乗用車および3台のディーゼル車について検討を行ったものであり、今後、更に広範な車種や最新規制適合車についても、データの蓄積を図るとともに、以下の課題について検討する必要がある。
(1) 自動変速機(AT)付車両におけるアイドリングストップに伴うレンジ操作の煩雑さに対するドライバーの受容性と慣れ、および技術的な改善の可能性。
(2) 夏季や冬季でのエアコンやヒータ停止による快適性の低下や、エンジン停止時の車室内温度の上昇または低下によるエンジン始動後のエアコン負荷の増大等による排出ガスや燃費の悪化。
(3) エンジン始動回数の増大に伴うスタータやバッテリ等の始動系部品の耐久性、適切な定期点検方法や部品交換時期など。
参考文献
(1) 横田他:交差点におけるアイドリング・ストップ・シミュレーション、東京都環境科学研究所年報1997
(2) 横田他:エンジン再始動時の燃料消費量、排出ガス排出量について(アイドリングストップの効果)、第40回大気環境学会年会講演要旨集(1999)
(3) アイドリングの停止の在り方に関する調査研究会:アイドリング・ストップに関する調査研究、平成11年4月
(4) 日高他:アイドリング停車時のエンジン停止による汚染物質排出量の低減効果(1)−アイドリング状態で駐車中の自動車への適用−、第33回大気汚染学会講演要旨集(1992)
(5) 中澤他:アイドリング停車時のエンジン停止による汚染物質排出量の低減効果(2)−信号待ち、渋滞車両への適用−、第33回大気汚染学会講演要旨集(1992)
(6) 中澤他:アイドリング停車時のエンジン停止による汚染物質排出量の低減効果(3)−ガソリン車の場合−、第34回大気汚染学会講演要旨集(1993)
(7) 中澤他:アイドリング停車時のエンジン停止による汚染物質排出量の低減効果(4)−長時間のエンジン停止による排出量への影響−、第36回大気汚染学会講演要旨集(1995)
(8) 山崎他:ディーゼル微粒子の簡易測定装置に関する研究、自動車技術会学術講演会前刷集911(1991-5)
(9) 土井他:自動車の都市内走行形態に及ぼす道路、車種、積載量の影響、自動車研究第18巻第1号(1996.1)
(10) 平井他:排出係数測定用の実走行モードの作成方法について、自動車研究第18巻第12号(1996.12)
(11) 柳他:自動車の都市内走行形態に及ぼす道路、車種、積載量の影響−試作走行モードの検証−自動車研究第19巻第1号(1997.1)