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新市街地の開発では、エコ交通の観点から新しい都市空間、都市構造の提案が期待される。ホウテンのように3万人のニュータウンの主要交通手段は自転車であるようなケースもある。

オランダのABCポリシーは既存都市における誘導的な施策であり、効率的なコミュニティ形成を基本とするアーバンビレッジなどこれまでの都市づくりよりも環境負荷の少ない都市構造に努力している例である。

●拡散した都市での移動のイメージ

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●コンパクトな都市での移動のイメージ

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2] 総合的都市交通体系…適材適所で効率的な交通手段によるマルチモーダルの都市交通を構成する。

エネルギーおよび空間利用で効率的なマストランジットの公共交通を最大限活用し、他の交通手段との連携を実現し、様々な交通手段を適材適所で利用できる都市交通体系を作り上げる。すなわち、都市規模にもよるが、街の中心部では歩行者と自転車を主に、比較的距離のある移動は電車やトラムなど軌道系と優先権を確保されたバス等の組み合わせで交通手段の選択性を提供する。また、ハード面ばかりでなく、都市公共交通の合理的な運営、交通誘導等関連するすべての事項を統合してシステムを再構築する必要がある。

新市街地の形成での実現でなくとも、既存のシステムや都市構造を改善して都市交通計画のもとに全体として統合的な交通体系を再構築した既存都市も多い。これらの基本的な考え方として、

・中心市街地の歩行者空間ゾーンの創出と自転車利用の促進…都市空間の再配分

中心市街地では、歩行者と自転車の空間を中心に確保する。

・公共交通の優先…車より便利で速く、安い公共交通を実現する。

公共交通のネットワーク、他の交通との連携等都市交通全体の構成の要として整備する。

市街地、郊外部では、需要のある部分の公共交通の通行を最優先する。

・交通結節点の利便性の確保…マルチモーダルの促進

最も効率的で便利な交通手段への乗り換えの利便性を確保する。パーク&ライド、キス&ライド、バイク&ライド、バス&ライド、あるいはフリンジパーキング、ターミナル駅の利便性、街中の駐輪場等乗り換え部分を強化する。

 

 

 

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