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3) 公共レンタカー…セルフサービスの短時間レンタカー

1] 試行段階の公共レンタカー

公共レンタカーは、より都市的レベルで自由に使えるフリーのレンタカーあるいは、自分で運転するがタクシーのような使い方をする短期利用の中間的な公共交通と位置づけられる。従って、基本的には公共側からの公共交通の狭間のサービス提供の試みといえるが、このシステムも、盗難等セキュリティ管理面、料金精算の面から登録する必要がある。

さらに、公共交通の新しいタイプのサービス提供という目的から、環境面での配慮を十分に考え電気自動車や小さな車に限定するなど、街のイメージづくりの部分も効果として狙っていることが特徴として指摘できる。さらには、採算性よりは現実にどのぐらいの需要があるかという点を確認する試行であるので、システムとして最初からGPSで位置確認、ICカードによるデータ管理や鍵代わりに使うシステム等コンピュータシステムを駆使したハイテク装備で多少コストがかかっても充実した仕様で行うことが最近の傾向として一般化している。

以前、オランダでのホワイトカー等世界各地で実験はされてきたが、これまで成功したものはなかった。しかしながら、環境問題と交通渋滞等から再び今回は、電気自動車と高度なシステムを駆使して、現実の都市において運用実験が進められている。カーシェアリングが、ドイツ、オランダ、スイスで盛んな一方、電気自動車を使ったこのシステムは、フランスをはじめラテンの国々で試行されている。日本では、どちらかというと公共交通としての可能性を探るというよりは、将来のため自動車メーカーの先行投資的な努力として、カーシェアリングに先行して電気自動車の公共レンタカーシステムの実験がスタートしている。

●自動セルフサービスシステムの現状(AUTOMOBILES POUR LA VILLE A l'HORIZON 2010をもとに修正)

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●アメリカのStation Car(1994年より)

鉄道駅に電気自動車をおき、P&Rを推進するデモンストレーション。サンフランシスコで最初に実験され、現在は全国で70台の小型電気自動車を使って展開している。

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Prototype Station Cars at the Bay Area Rapid Transit District(BART) Ashby Station in Berkeley, California, fall 1995.

 

 

 

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