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○ケーススタディ1…都心大規模集合住宅における現状とカーシェアリング導入効果の検討

次ページの都心大規模敷地のマンションを実例にカーシェアリングの導入効果を検討する。

カーシェアリング導入の場合一住戸当たり建設費は、現状の30台では1890万円であるが、カーシェアリング導入のケースでは10台分ですみ、地下駐車場の必要もないことから1720万円となる。ちなみに、利用上不便がありながらも機械式駐車で何とか全戸に駐車場を確保すると2200万円と相当の差がでる。平面式駐車場を建設するとさらに差が広がってくる。この価格差では、駐車場付きの魅力もないためさらに他の付加価値をつけて、高級マンションとして販売するというのが一般的傾向である。

検討に当たっては、カーシェアリングを導入する場合は全戸を対象とすることを前提とする。一部個人所有、一部カーシェアリングとするケースもありうるだろうが、状況が複雑となり最初の検討としてはわかりにくくなるので、全戸で導入する場合で検討する。

また、保有台数の設定についても、週末利用と平日利用のどちらを優先して考えるか問題だが、月に9日程度の不足に対処するとして試算した。これは概ね月の1/3程度であることと週末の回数にも相当する。また不足台数が、シェアリング用台と比べて極端に多い場合は駐車場確保の問題もあり現実的でないため対象から割愛した。

●100世帯のマンションでのシェアリング料金の試算(固定費に限った場合の比較。)

ピーク時車両の不足分は全日予約システムであるが宅配レンタカーを利用するものとした。

また、車両の選択性ないが土日祝日乗り放題レンタカーというシステムもある。6ヶ月17.88万円

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上表からは、当然の事ながら不足台数の補充をなるべく少なくすることが最も重要なことで、その中で不自由が少ない程度に数を限定してシェアリング台数を決める必要がある。このかねあいを知ることが普及のために重要なことである。利便性や価格との見合いで、実際の需要が決まってくる。環境志向の住人が集まれば、保有台数が少なくてすみ、車利用を控えるので相当減らすことができ、カーシェアリングの導入効果は高くなる。

 

 

 

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