2. 車からの転換・車の新しい利用法
2-1 新しい中間的な都市交通手段
環境に配慮した交通の観点から期待されるマルチモーダルを実現するために、これまでの交通手段ではカバーしきれない中間的なサービスに対応する既存の交通手段の隙間を埋めるような新しい中間的な都市交通が期待される。
いずれもどこかで存在しているか、以前あったものか、アイデアとしては存在していたものが多い。今普及していないということは採算性や十分な重要が見込めなかったり、他の交通手段でカバーされるサービスであったり、地理的条件など様々な要因があって成立していなかったということが多く、導入にあたっては改めて条件を整えると普及する可能性が高い部分でもある。しかし、高齢化や環境問題、街の活性化等の要因の重要性がこれまで以上に高まり条件的に変化が進んでいるため、新しい交通も受け入れられる要素は少なくないと考える。
都市における陸上交通で想定できる新しい中間的な交通手段を加えるとバスとタクシー、レンタカーと自家用車、あるいは自転車と車の中間等が連続するような交通手段を設定することが出来る。
距離的にすべてをカバーしているのが自家用車ではあるが、エコ交通という観点からはそれぞれサービスレベルをニーズに合わせて車に取ってかわるよう都市環境という物理的条件やその他法制度、税制等の社会的諸条件を整備し、総合的な対応が必要である。
次のページは、中間的交通手段をさらに、自分で運転する場合と他に運転するドライバーがある交通手段を利用する場合とに分けて考えることにより、既存の様々な交通手段の機能、位置付けができる。この図式は新しい交通手段を考える時に参考となると期待している。空間や時間の占有度と選択性等でそれぞれの交通機関の特色が容易に比較でき理解しやすくなる。