日本財団 図書館


II. 環境に配慮した交通の方向性…車を中心に

 

1. 環境の視点から車を考える

 

今日の日常生活に深くかかわる車の利用のあり方も地球環境の面からも都市空間の効率的利用の面からも重要課題である。CO2の放出と相対的関係があるエネルギー消費にしめる自家用車の割合は47%、また、二酸化炭素排出割合においても自家用車が55.1%を占めている。また他の交通に転換することも可能でもある。(1997年データ)

ここで、地球環境と交通の関係において、環境への負荷の少ない交通を考えていくとき、次のようなステップで問題点の大きな流れをとらえることができる。地球環境において運輸の部門の位置など、交通の分野においても個人の所有する自家用車の抱える問題点の概ねの流れを示した。

031-1.gif

 

トラックなどの物流関連交通は特にディーゼルエンジンなど大気汚染への影響や規制しやすい点など検討する課題として重要ではあるが、エコ交通を考えるにあたっては、これまでの地球環境、都市活動に与える影響について大きな関わりを持っている個人利用の車に焦点を絞って検討していきたい。ここで車を中心に環境に配慮した交通を以下のようにとらえられた。

● 自家用車は、運輸交通の領域の中でも地球温暖化へ大きな影響を及ぼしている。

● 自家用車の使用は必ずしも常に必要不可欠ではなく、環境の条件を加えたり、一人一人のライフスタイルを変えることにより、また、個人の車への価値観が変わることにより利用機会を減らすことは比較的容易である。

● 市街地においては都市活動や、車、人が集中し、車に関わる社会問題が大きい。都市計画や交通需要マネージメント等の施策により車以外の他の交通手段への転換も中心市街地では誘導しやすく、現実的な対策がたてやすい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION