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6] 土地利用政策と連動した交通計画

本来都市計画では、都市空間の適正な利用のため都市規模のコントロールと、都心部では様々な都市活動が維持できる混合用途が自然であったが、次第に機能配置の分節化が一般化するようになってきた。こうした都市構造では、空間的に広がって移動距離が長くなり交通量の増大がさけられない。その上、車の利便性を実現するため都市内の道路空間の拡大、道路網等整備を進めるだけでは、交通問題の解決ができず渋滞が解消されないことがわかってきた。

・オランダのABCポリシー「正しい場所での正しい業務」

こうした状況に対して都市の構成、土地利用に配慮することによりいたずらに自動車の交通量の増大をくい止めるため、オランダでは「正しい場所での正しい業務」ABCポリシーという交通需要と土地利用の関係を強く意識した土地利用計画の都市政策が進められている。交通施設の整備水準に対応するように業務形態を規定するのものである。

●ABCポリシー (資料:都市交通問題の処方箋)

A 立地に適切な業務形態

…従業者密度が高く、来街者が多く、自動車依存度が低い業務施設

公共交通が中心

B 立地に適切な業務形態

…従業者密度、来街者、自動車依存度が中心程度の業務施設

自動車と公共交通

C 立地に適切な業務形態

…従業者や来街者が少なく、自動車依存度が高いような業務施設

自動車交通が中心

●企業分類による望ましい立地タイプ

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AI:Alocal、R:住宅地域等

●ハーグ市におけるABC指定状況 (資料:都市交通問題の処方箋)

<現在:1990年>

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<将来:2005年>

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