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5] マルチモーダル都市の実現

・総合的な都市交通体系と公共交通の強化(歩行者空間とトラム)

利便性に優れた車を都市から一度に排除することは不可能だが、都心部では車に頼らず効率的で安全なまた環境にやさしい交通手段を適宜選択していくことで、より効率的な都市空間の利用や活発な都市活動が生み出されている。車の効果的利用と利便性を損なわずに、車にかえて公共交通や歩行者、自転車等に随時選択できる交通体系と都市空間を再構成している。

ウイーンでは、地下鉄とともに多くのトラム路線網が都市の主要な公共交通として位置づけられ、中心部では積極的に歩行者空間が設定、拡大され続けている。

フランスのストラスブールでは、トラムの復活に際してゾーンシステムの採用、公共交通網の強化など都市交通体系全体の再構成を狙うともに、主要な都市空間の再開発などにより、街全体を変えるような都市整備を進めた。都心部を歩行者優先の都市として、街の活気を取り戻したことで注目を浴びている。チューリッヒは従来型の路面電車ではあるがバスとともに充実した公共交通網を形成し世界でも最も公共交通が利用されているといわれている。

●ウイーンの歩行者中心の都心空間整備(地下鉄、トラム、バス路線網と歩行者専用ゾーン)

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(1997 LRT Workshop報告書より)

 

図 歩行者エリア及び公共交通路線図

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(資料:都市交通問題の処方箋)

 

 

 

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