新海上交通システムの導入によるCO2削減率は定量的に見た場合、消席率70%の貨物量の輸送においては九州〜南関東で約40%、九州〜関西で約30%前後の削減効果が見られる。すなわち、輸送機関の新海上交通システムへの移行が図られれば、トラックの走行台数が減少することとなり、結果として地球温暖化の原因の一つとされているCO2排出量の抑制が可能となる。
5.4.2 新海上交通システム導入の費用対効果
現在のトラックを中心とした物流体系については、環境面、労働環境面から問題があり、その代替機関として海上へのモーダルシフトを推進していく必要がある。
新海上交通システムは、これまでに検討してきたように、荷主に対する物流サービスという観点からはトラックに対して充分な経済性を有している。したがって、新海上交通システムを実現させるための規制の合理化、港湾等のインフラ整備がなされれば、民間の事業としての新海上交通システムの普及が進むものと期待され、前項5.4.1に述べたようなCO2の削減効果が期待されるものである。