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2-3 交通利用者から見た課題

 

この節では、高齢者・障害者から見た、鉄道、バス、タクシーの利用に際しての課題を、既往調査に基づいて述べる。参考資料としてE&Cプロジェクト(現 財団法人共用品推進機構)の『高齢者の交通機関とその周辺での不便さ調査報告書』(1996.4)、東京ハンディキャブ連絡会の『誰にでも優しい交通システムを確立するための地域活動計画』(1997.3)を使用した。

利用者からの課題を把握することは、現状のマニュアルで取り上げられている項目の妥当性が検証できると同時に、今後のプログラム作成において重点を置くべき事項が明確にできる利点があると考えられる。

表2-3-1〜2-3-3に示したのは、高齢者・障害者から見た交通事業者の接遇・介助に関する課題のまとめである。高齢者・障害者が交通機関の利用時に実際に経験した事例から抽出したものである。教育プログラムが、ここで示された問題に対応した内容に改善されることは、利用者の快適性や安心感を高める効果が大きいと考えられる。こうした課題は今後の教育プログラムの中で十分に浸透させる必要がある。

なお、表においては、人に対する接遇・介助の観点で整理しているので、ハードの整備については言及していない。

 

表2-3-1 鉄道利用時の指摘事項の例

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職員の教育、接客マナーの向上を求めている事例が多い。介助体制の強化と同時に、エスカレーターやエレベーターの設置を促進することで駅員の負担も軽くなり、利用も気兼ねなくできるという指摘が多い。また、自動化による改札口や券売機の使いにくさが指摘されている。何かを聞きたくても駅員が見つからない、時間帯や駅、人により対応が異なるなども大きな課題である。

 

 

 

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