7.14 赤十字マークについて 2
なぜ「赤十字マーク」は自由に使用できないのでしょうか?
赤十字病院が、「赤十字マーク」を使用し、その看護婦等が「赤十字マーク」を着用していることから、「赤十字マーク」は「病院」や「医療」等を表すマークだと誤解されているケースが少なくないようです。
もし、このまま、「赤十字マーク」を誤って使用され続けると、次のような不具合が生じることが考えられます。
「赤十字マーク」が、「病院」や「医療」等を表すマークとして使い続けられる。
「赤十字マーク」は単なる「医療」、「病院」等を表すマークとしてのイメージが出来上がる。
戦争や紛争など「保護」のマークとして使用する事態に直面しても、「赤十字マーク」の意味が理解されず、傷病者等を適切に保護することが出来なくなる。
なお、「赤十字」は、次の国際的な条約と日本国内の法律によって、その使用が制限されています。
!「ジュネーブ条約」
"「赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律」
(昭和22年12月10日法律第159号)
#「商標法」
(詳細は、資料編参照)
「赤十字マーク」を正しく使用することは、国際的な責任を伴うことなのです。
ジュネーブ条約とは
赤十字は、当初、戦争時に傷ついた人を敵・味方の差別なく救護する団体として、スイス人であるアンリ・デュナンの提唱によって誕生しました。ジュネーブ条約は、赤十字活動の根本となる条約で、1864年に初めて制定され、徐々に適用範囲が広がり、戦争や紛争地における軍隊の傷病者、捕虜そして一般市民の保護について規定しています。