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まえがき

 

この報告書は、「案内用図記号の統一化と交通、観光施設等への導入」事業の成果をとりまとめたものである。

 

本事業にいう「案内用図記号」(正式には「一般案内用図記号」)とは、不特定多数の一般公衆が使用する交通施設や観光施設等の公共の場において、文字や言語によらずに対象物、概念または状態に関する情報を提供する図形を指す。文字情報に較べて、一見してその表現内容を理解できる、遠方からの視認性に優れている、言語の知識を要しないといった利点があり、このため一般の健常者だけでなく視力の低下した高齢者や障害のある方、外国人等にも理解できる有効な情報提供手法として、日本国内、あるいは世界各国の公共交通機関、観光施設等において広く使用されている。

しかしながら、国際的に標準化された案内用図記号としては、現在、国際標準化機構(ISO)でまとめられた「IS07001一般案内用図記号」の57種類があるに過ぎず、また日本国内においても未だ標準化(JIS化)された図記号はないことから、各国、各事業主体が各々に図記号を定めて整備を進めているのが現状であり、この結果利用者にとって分りにくいものとなっている。

そこで、本事業では、まず国内の公共交通機関とパブリックスペースにおける案内用図記号について関係者の合意を得て統一基準をつくり、国内標準化(JIS化)を図るとともに、国際標準化機構への提案、調整を通じて国際標準化(IS化)に寄与していくこととした。初年度である今年度については国内外の動向の把握、分析、評価を行い、これをもとに表示事項の選定、候補図形の選定を行なった。

 

調査にあたっては、東京大学の森地教授をはじめ委員会委員各位、関係機関、交通事業者の各位に絶大なるご協力とご助言を頂いた。

ここに、改めて感謝の意を表する次第である。

平成12年3月

 

財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団

会長 大庭浩

 

 

 

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