10]鉄道車両(Rail vehicles)
一列車一車両ルールに完全に対応するための車両デザインのスペックに加えて、そのほかのアクセシビリティに関する設備も新車、中古車、再生車両に取り込まなければならない。こうした付加的なデザインの工夫は、国内の鉄道システムの運行方式の違いに配慮して行う。
ラピッドレール、ライトレール、通勤鉄道、都市間鉄道に共通して、決められたデザイン上の配慮事項は以下の点である :
・自動ドアのついた車両では開閉を知らせる音声および視覚案内装置をつけること
・障害を持つ乗客の乗降に際して、また車両内の移動および座席への着席、起立時の支えのために手すりおよび支柱を設置すること
・障害者および他の乗客に情報伝達を行うための放送設備をアクセシブルな車両に設置すること
・段差及び隙間のギャップは許容値内を達成する、もしくは適切なレベル可変装置を用いること
・通勤鉄道および都市間鉄道でトイレがある場合、一車両に1つはアクセシブルなトイレとする
ラピッドレールとライトレールにおいては、視覚障害者の安全を確保するために、車両が連接されている場合は、車両の間に遮蔽物を設けること。また、アクセシブルな車両から連接する車両へつながるドア通路は、緊急時に障害を持つ乗客が避難できるように最低30インチの幅を確保しなければならない。
専用軌道走行に完全に限定された(道路等は走行しない)ライトレールシステムの車両は、水平(レベル差の無い)乗車ができなければならない。歩行者モール、市街地街路およびその他のエリアでのライトレールの運行においては、路上(way-side)または車両に内蔵したリフトを装備するか、ミニプラットホーム、もしくはその他のアクセス装置を準備すること。ライトレール車両内の決められた車いす固定場所へのサイン表示、他の乗客に車いす使用者が乗車した時は座席を収納する旨を掲示すること。
ライトレールおよび通勤鉄道車両は以下のアクセシブルな特徴を備えていること :
・ステップのある入口には手すりと支柱を設置すること
・ドア付近および段鼻にはコントラストのある色表示をする
・ステップ、ドア回り、車両外部には照明をつけること
もし車両のリフトやランプが必要な場合、設計の仕様はバスと同様のものとするが、運行条件上必要ならば、ロータリー式の車いすリフトを据え付けることも認められる。
通勤鉄道および都市間鉄道の車両については、構造および操作面で可能ならば水平乗車を提供すること。通勤鉄道および都市間鉄道の車両では、デッキ(車両連結部)に通じる最低でも32インチのドア通路が必要である。またデッキでは最低42インチの幅が必要である。トイレがある場合は、35インチ×60インチの有効面積のあるアクセシブルなトイレを設置しなければならない。
アクセシビリティに関する特徴はアムトラックので使用されている車両においてもサービスのタイプに応じて適用される。一階建ての客車および食堂車では、乗降口に32インチ幅のドア通路が必要であり、また個室客車につながるドア通路、連結している車両とつながる部分のドア通路も同様の寸法が必要である。