2. 規定の概要
公共交通事業者に必要とされる条件についてはADA第2章、パートBに、また民間交通事業者に関する規定については第3章に書かれている。
第2章は公共事業者による交通を扱っており、バス、鉄道、ボート、船、フェリー、また航空を除くあらゆる形態の交通機関がこれに該当する。第3章は民間事業者によって所有、あるいは運営されている公共交通について扱っている。
1991年9月6日、アメリカ運輸省は公共事業者、民間事業者ともADAの基準を満たさなければならないという規定を定めた。この規定の一部は1991年10月7日に発効され、残りは1992年1月26日に発効されている。アクセス委員会(the Access Board)として知られる、連邦の建築物および交通に関するバリアをアクセシビリティ規準に適応させる委員会(ATBCB)は、1991年9月6日に二つの規定を定めた。一つは、法が適用されている公共交通車両の購入に関する技術的(専門的)規定、もう一つはADAアクセシビリティ・ガイドライン(ADAAG)に第10章を追加する規定で、その内容はターミナルや駅などの固定ルートサービスの交通施設における、アクセシブルデザインの新規実施およびアクセシブル化のための改築に関する内容である。
3. 公的資金を受けた交通事業
1]公共事業者のバス車両の入手(Public bus acquisition)
ADAは公共事業者に対して次のような規定を定めている。1990年8月25日以降、固定ルートサービス用に新型車両のバスを購入またはリースする場合、その車両はアクセシブルでなければならない。固定ルートサービスは、決められたスケジュールによって決められたルートにしたがって車両を運行しなければならない。中古バスを購入またはリースする場合、極力アクセシブルな車両を購入するよう努めることを確実に示さなければならない。車両の使用期間を5年ないしそれ以上延長させる目的でバスを改造する、あるいは改造されたバスを購入する場合、その車両はアクセシブルでなければならない。
固定ルートサービス用に、下に貨物専用室がある床の高いハイデッガーバスを購入する場合、リフトやランプ(スロープ)を設置しなければならない。
また、1991年9月6日以降に公共事業者がバスを購入する場合、いかなるバスもATBCBによる、公共交通車両に関する技術的基準に従わなければならない。運輸省のADA規定は、既存のバスに対してリフトやランプなどの装備を行うための改造を求めていない。公共事業者は、協定を結んでいるためアクセシブルバスの購入に関して責任を逃れることは出来ない。公共事業者が民間事業者に固定ルートサービスの提供を委託している場合、アクセシブルバスを購入しなければならない。