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b. 運行開始の経緯

現在の担当者(いずれも同業他社出身)らによる、自動車メーカーの社員等も含めたバリアフリータクシー研究会等を経た数年来の構想から京浜運送が着目し実現化した。寝たきりをなくし、安く外へ出たいという願いに応える車はあるか検討を続け、タクシーのバリアフリー化を目指していた。

系列の京浜ライフサービスという会社があり、12年ほど前から入浴サービス、在宅サービスの送迎等を実施していたため、需要があることを確認でき、ノウハウもあったので導入に踏み切った。

 

c. 利用状況

稼働率はほぼ100%に近く、休車できない状況にある。車いすと一般利用の比率は4:6である。当初は2:8の割合と考えていたが予想に反して需要が拡大した。

車いす使用者の予約配車に加えて、旅行会社やホテルからの要請が増えている。旅行先での移動、空港への送迎や冠婚葬祭、大きな荷物をもった人、大人数で移動したい人などのニーズに合致しており、用途が飛躍的に広がった証拠である。

 

d. 課題および今後の計画

 

・車両の課題

現在の車両に決定したのは、室内の広さと、中型として対応できるという点があるが、通常のタクシー用車両よりも2倍弱のコストがかかる。今後は車両自体のコストが下がらないと、将来的に運営は厳しい。

 

・介護保険の対応

ドライバーの多くが初心者なので、入社後1ヶ月をかけて、二種免許、地理試験、介助等の研修を行う。通常のタクシーに比して何倍もの応募があり、多様な人が応募してくる。

介助教育は京浜ライフサービスから講師を派遣し、4日間(12時間)の研修を実施。修了者は20数名。ベッドからの移動および4時間の車いす実習がある。ちなみに乗務のための通常研修ならば、法定では5日間で済む。

実際に高齢者や障害者の利用が多い中で、業務の9割が運転で1割が玄関先などでの援助という実態が明確になってきている。通常よりもリフトの操作等サービスに時間がかかるのは事実であり、その負担はドライバーも了解している。

現在、2級ヘルパーの有資格者は7名いるが、資格取得には130時間かかる。今後は、2級ヘルパーの養成資格をとったので自社養成で対応していく予定である。

介護保険への対応を検討しており、ヘルパー2級ならば身体介護ができるため業務内容が広がる。移送は介護保険実施時に保険対象になると考えられ、移送と介護のサービスを合わせてメニュー化し料金設定する検討を行っている。「介護0.5時間を含んだ運行で、○○円」等の設定が可能になる。現在、ドライバーだけが乗車して賃走はできない。買物代行等のニーズに対応するには、介護メニューとして認められる必要がある。介助はドライバー1人でできる範囲で対応していく予定である。

 

 

 

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