日本財団 図書館


b. コミュニティバスサービス

 

コミュニティバスは、全ての人が利用できるように配慮された固定ルートのバスサービスである。同時に、高齢者や障害者のニーズに見合った小型のアクセシブルなバスと見ることもできる。局地的な需要を満たすよう意図され、通常は、住宅地域を中心に買い物、医療機関、社会あるいはレクリエーション活動センターを接続するように運行されている。また、寄り道や迂回ルートの設定、自由乗降区間の設定など、よりきめの細かいニーズに対応することができる。運行コストは、一般に、ドア・ツー・ドア・サービスより安く、通常の固定ルートよりも高い。

コミュニティバスの概念はスウェーデンで普及し始めたが、カナダでは類似したサービスがアルバータおよびオンタリオで確立されている。

 

c. アクセシブルに改造されたバス

 

カナダでは20年以上にわたり、リフトつきのバンまたは小型バスが使用されている。現在は、リフト装置の改善が進み、安全で信頼性が高く、維持コストも下がっている。

主として小型車両で使用されていたリフトが、フルサイズの都市内バスに導入される時には、交通事業者から強い反発があった。一般に、モノコック構造のバスに合わせたリフトは維持費用が高く、操作も複雑で乗降時間もかかるものであったが、1989年の時点ではカナダで唯一の利用可能な技術であった。

1994年、すでに低床バスを導入していたBC TransitとTDCは、リフト付の高い床のバスとスロープ付の低床バスの評価に関する研究を実施した。リフト付バスは、技術的な複雑さ、長い乗降時間、高いメンテナンスコストが課題であることを示した。一方で、スロープ付低床バスは、乗降時間の短縮、低いメンテナンスコスト、仮に油圧システムが故障しても手動でスロープを操作することができる、という点で優れているという評価を得た。

 

d. 低床バス

 

小型の低床バスがカナダで初めて開発されたのは、1984年のオンタリオバス社(Ontario Bus Industries Ltd.)のオリオンII(Orion II)である。続いて、オーバーランド・カスタム・コーチ社(Overland Custom Coach Inc.)の中型低床バスが生産され、1992年にはニューフライヤー社(New Flyer)が大型車(図3-3-1)の生産を開始した。

1991年8月、公共輸送の国際組合であるInternational Union of Public Transportは低床バスの定義として「ドア間の通路およびドア付近のステップの必要性を除去するため、少なくとも前後のドアの間は、十分に低く水平なフロアを有するバス」と定めた。なお、ヨーロッパではこの間、すでに北米のバスよりも低床の(出入口は32cm、床高は34cm)バスを製造していた。

1992年5月に、ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリアにおいて最初のフルサイズ(大型)の低床バスによるサービスが開始された。その後、バンクーバー、西バンクーバー、ウィニペグ、エドモントン、カルガリー等で導入された。1994の秋までに、推定で150台の低床バスが国内で導入され、1995年に供給予定の200台がすでに発注されていた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION