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1985年には、障害者のための交通実施委員会(TDPIC: Transportation for Disabled Persons Implementation Committee)が創設された。同委員会は、ユーザー・グループと政府の代表によって構成され、研究開発活動に関する勧告、並びに、関連するプログラムおよびプロジェクトの選定、調整、評価を行って来た。また、消費者団体と交通事業者の全国レベルの代表者で構成される、運輸大臣の現在のアクセシブル交通諮問委員会(ACAT: Advisory Committee on Accessible Transportation)の前身であった。

現在、ACATは消費者および交通事業者が直面する懸案事項について運輸大臣に進言し、アクセシブルな交通に関する問題の解決策、CTA(後述)の業務内容、TDCへのプロジェクトの提案、交通システムのアクセシブル化のために策定された施策の実施状況をモニタリングするなど、重要な役割を果たしている。

翌1986年には委員会の提言を具体化するための資金提供プログラムである、障害者輸送プログラム(TDPP: Transportation for Disabled Persons Program)が創設された。政府の目標と合致した安全かつ効率的な公共交通の実現を目指して、連邦の管轄下において高齢者・障害者の交通のアクセシブル化を促進するためのプログラムに資金提供を行った。

TDPPは、1991年に障害者の社会参加のための国家戦略5ヶ年計画(the five-year National Strategy for the Integration of Persons with Disabilities)の発表によりその役割を終えた。あらたな5ヶ年計画は、雇用、住居、レクリエーション、コミュニケーション、および交通へのアクセスを向上させ、また、社会への啓蒙とコミュニティヘの参加を支援するために策定され、以下の3つの主要ゴールが定められた :

・平等なアクセス

・経済的統合

・障害者による国民生活のメインストリーム(本流)への本質的な参加

運輸省は、この計画に関与した連邦省庁のひとつであり、14のイニシアチブを含む総額246億ドルのプログラムを実施した。例えば、小型航空機及び旅客鉄道へのアクセシブルな搭乗/乗車システム導入の広汎な実施、空港における地上交通(タクシー、レンタカー、空港シャトル・バス等)へのアクセシビリティの向上、およびカナダにおける都市間バスのアクセシビリティに大きな効果をもたらす経済的インセンティブなどが提示された。

 

表3-2-2 アクセス・フォー・オールが提起した主要な基本原則

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